訪問入浴で働く スタッフの声

訪問入浴で働くスタッフの声
訪問入浴サービスで働くスタッフに今の仕事のきっかけ、実際の仕事感やつらかったこと、うれしかったことなど、語ってもらいました。

介護の仕事を始めて何年?

皆さんは介護の仕事を始めて何年目になりますか?
訪問入浴について
近藤
16年ぐらいですね。朝倉さんが半年先輩です。
朝倉
まあまあみんな同じぐらいです。
青木
私もうちょっと短いです。15年ぐらい?

「サポートクラブゆう」に入ったきっかけ

「サポートクラブゆう」さんに入ってからはどれぐらいになるのでしょうか?
近藤
同じで16年ぐらいです。その前は介護の仕事ではなくて、3年半ぐらい介護支援センターの経理をしていました。楽しそうな感じがして訪問入浴をしてみたいな、と思ったのが37歳の時で、体を動かすのでもうちょっと歳をとったら難しいかなと思って始めました。デイサービスや介護施設もちょっとだけ経験しましたが、私には合わなくて(笑)
青木
そうだったんだ(笑)私は元々看護師として病院で働いていて、そこから高齢者に興味が出始めました。病院だと主に「助ける」看護をしていたんですけど、人はいずれ亡くなっていくので「死に対するケア」ができたらいいな、という考えを持つようになりました。高齢者さんに「『生きてて良かったな』という死に方」をしてほしいと思ったのが、介護をしようというきっかけになりました。初めはマネージメントするためにケアマネージャーの仕事も少ししていました。「サポートクラブゆう」に入り、「訪問入浴」は最初「できるかな?」と不安でしたが、非常に楽しくて(笑) 介護職・看護と職種の違う3人で回れることと、「訪問入浴」がすごく気持ちのいいサービスなので、今まで15年この「訪問入浴」の仕事をしています。「気持ちよく送り出してあげたいな」と思ったのが一番のきっかけです。
朝倉
事業所の所長と同級生で、紹介されたのがきっかけです。元々マッサージの仕事をしていたので高齢者の方と接する機会が多く、興味もありました。でも、そんな時に自分がちょっと大きい病気になり、退職した際に誘われて入りましたね。

「入浴介護」って?

入浴介護の方って体力的に相当大変だと思うのですが、対応する時のコツや、普段からどうやっているかなどありますか?
訪問入浴について
近藤
「ボディメカニクス(「最小限の力で介護ができる介護技術」の一つで、人間の関節や筋肉、骨が動作する際の力学的関係を利用したもの)」ってことですか?
青木
普段からは腰にベルトを巻いたり、「ボディメカニクス」であったり。利用者さんの骨格の構造をしっかり把握すると、腰を痛めることはそうそうないと思います。「てこの原理」を利用するのですが、最初は分からず力任せに動かして手を痛めたり腰を痛めたりしてしまいます。でもコツを覚えれば難しくないです。汗をかくから大変に見えますが、使い方次第ですね。

つらいこと、嬉しかったこと

どういう時に「大変だなぁ」と思いますか?普段のお仕事の中でつらかった思い出などありましたら。
青木
つらかったことって私は全然無くて。今日1日考えてみて「これだ!」って思ったのが、マスクがつらいです(笑) 汗と呼吸でマスクが肌に密着して息がしにくくなって、特に梅雨時期になってくると湿度がだんだん上がってくるので余計に、それがちょっとつらい(笑)
朝倉
体力的にしんどいのはまあまああります。かと言って入浴の仕事が嫌だなとか、入れたりするのがつらいな、というのはあんまり無いです。
近藤
研修中に意思疎通が取れる方の入浴介護をしたのですが、ヘルパーは頭をしっかり洗えなくてはいけないのに最初からは上手くできなくて、「下手くそ、もう違う人にやってもらって」と言われることが何度かありました。でも、嬉しかったことに繋がるのですが、1年経ってすごく緊張しながら同じ利用者さんの入浴介護をしたら、「ありがとう、気持ちよかったわ」と言われました。ちょっとだけ成長できたのかなと知ることができて、つらかったけど嬉しかったです。どうすればきれいに洗えるのか、考えながら動いていて良かったなと思いました。
つらいこと、嬉しかったこと
ではこのまま、嬉しかったなと思ったことを教えてください。
朝倉
1回限りの利用者さんがたくさんいるのですが、「お風呂入れてもらえて本当に良かったわ」と言われたり手紙をもらったり、ものすごく感謝してもらえます。もちろんずっとご利用していただいてる方もそうなんですけど、終末期にお風呂に入って「気持ちよかったわぁ」と言っていただいて亡くなられる方も多くて。その時つらいのはご家族だと思うんですけど、なのにすごい感謝してもらえることがあって、長い人生を歩んでいるなかの最後の1日におじゃましたことで、僕たちの印象がすごく残っているんですよ。それってすごいことだなと思います。本当に短い間のお付き合いでも、気持ちよくなってもらいたい綺麗になってもらいたいと思って入浴介護しているので、この仕事をしていてすごく良いなあ嬉しいなあと思いますね。
青木
本当にその通りです。そのたびにつらいこともないですが、逆に励みになります。1回限りの訪問入浴で「家族で仕事してるの?」と聞かれる時があるのですが、入浴介護をさせてもらう時の私たち3人の団結力はそれぐらいすごくて、目で合図して阿吽の呼吸で仕事ができる仲間として大事にしています。

チームとして個人が大事にしていること

チームワークを形成するために、皆さんがそれぞれ大事にしていることってありますか?
青木
若いスタッフが多いので、とにかく「相談し合える」環境にすることですね。自分ができないことを助けてもらえる、「ちょっと手伝って」と言える。それは年齢関係なく、年下の人間が年上に「それ1個取ってほしい」と言っても「いいよいいよー」と返事できる、そういう雰囲気を常に作っていけるようにしています。やっぱり3人1チームだから、少しでも狂ってしまうとどんどんバランスが悪くなっていってしまいますので。
朝倉
そうですね、チームワークが大事なので多くいる若いスタッフと同じような目線を持ったり。あんまり偉そうにしてもよくないですし(笑) 自分たちが作っている雰囲気というのは利用者さんに伝わると思うので、「笑顔で」という気持ちを心がけています。
近藤
3人で回るので、私も助けてもらうしみんなのことも助けられるように、常に思いやりの気持ちをもっています。「どこが足りないかな、こっちを助けたほうがいいかな」と。「ヘルパーは縁の下の力持ちのように陰から支えるお仕事だよ」と仕事をし始めた時に先輩に教えていいただいたので、そうできるようにしていきたいです。もちろん足りないところもいっぱいあるので、「ごめんこっち忘れてたわ」と言うと「しておきましたよ」と言ってくれる子たちと一緒に回っているので、すごくありがたいなぁといつも思っています。

これからどうなりたい?

介護の仕事を続けるにあたって、これからどうしていきたい、どうなっていきたいですか?
近藤
全体を見られるようになって、チーム一人一人のことも考えられるようにできたらいいなぁと思います。若いスタッフがいっぱいなので、私がチームで動くとお母さんが子供たちを連れてきたようになるので(笑) 母親目線じゃないですが「こうしようね」「こっちをしようか」と声掛けを必ずして、「一緒のチームで良かったなぁ」と思ってもらえるように進んでいきたいです。
朝倉
次の世代の子たちに「介護はしんどいものでもないし、つらいものでもない」と伝えられる人間になりたいなと思いますね。「つらい、汚い」イメージがありますが、「介護って楽しいもの、やりがいのあること」ではないかと。自分の感じたことをもっともっとみんなにも感じてもらえたら、会社も良くなるだろうなと思いますので、みんなが意思の統一を持って会社としても広がっていけるように、指導も含めて、そうなっていきたいです。
青木
若いスタッフたちに、私が今まで経験してきたことや人に対する感謝の気持ち、介護に対する姿勢など、教科書には載っていない学校で学べないことをしっかり伝えて教えてあげる。そして分からないことはいつでも聞ける、なんでもウェルカムで(笑) 聞いてあげて相談に乗ってあげて、一緒に考えられる人になっていけたらなと思っています。先ほど言っていたように「汚い、きつい、しんどい、重たい」イメージがあると思いますが、それは対人間としてのふれあいですし、それよりも私たちが今携わっている高齢者の方、障がい者の方から学べることはたくさんありますので、若いスタッフたちにも社会勉強、人生の勉強を生涯続けていってほしいなと、私も勉強していきたいですしね。