鍼灸治療で働く
スタッフの声

鍼灸治療で働くスタッフの声

鍼灸治療で働くスタッフにこれまでの職歴や年数、介護の業界に入ったきっかけ、やりがいなど語ってもらいました。

どうして鍼灸師に?

鍼灸師になってどれぐらいですか?

益田

免許を取ったのが11年ぐらい前になるので、年齢の割にそんなに長くないんですよ。それまでは一般企業で普通に働いてました。10数年前に「鍼灸師になろうかな」と思って鍼灸師になり、接骨院でアルバイト等を経験して、今に至りますね。

どうして鍼灸師を目指そうと?

益田

自分自身の腰が悪くて鍼灸にお世話になってたというのもあるんですが、施術をして患者さんから喜んでもらえるのを「直接感じたかった」というのが大きいですね。それまで営業職をしていて人の役に立つ仕事ではあるんですけど、エンドユーザー(その商品やサービスを実際に使う人)のところまでは分からなくて。だからユーザーさんから直接感想をもらえるというのが魅力かな、と。

直に表情を見ながら触れ合えるお仕事という部分で。

益田

そういうところについつい欲を出してしまいました(笑)

「サポートクラブゆう」に入ったきっかけ

元々は「サポートクラブゆう」さん以外のところで鍼灸師を?

益田

そうですね。元々は別の鍼灸・接骨院で鍼灸師として働いていましたが、こちらの方に移ってきました。

「サポートクラブゆう」さんに入ってどれぐらいになるんですか?

益田

8年ぐらいですかね、「鍼灸部門」で。

鍼灸の施術する場合も訪問に向かうんですか?

益田

ここの業態だとほとんど訪問の場合が多いですね。「肩が痛い」「腰が痛い」「拘縮した」といった、訪問が必要な患者さんに対して施術に向かってます。事務所に来られた患者さんを施術させてもらう事もありますが、普通の事務所では施術できないので、別棟という形で部屋を借りベッドを置いています。ここのスタッフさんも肉体労働メインであるし、何某かのストレスを抱えておられると思うので、そこに対してもメンテナンスできたらいいなと。

嬉しい時

鍼灸師をしていて嬉しいことってありますか?

益田

施術して「しんどい部分が良くなったわ」と、効果が出ているのが見受けられたら嬉しいですね。利用者さんから「膝が痛いなぁと思ってたけど、ちょっと歩けるようになったわ」とか、介護している方から「腰も肩も痛くて介護するのも大変だったけど、ちょっと楽になったわ」とか、「動きやすくなったわ」など言われることがありました。介護にかかりっきりになってしまったご家族が「しんどい、ストレスたまってしんどいしんどい」になってしまうこともあるんですけど、施術して体が良くなってくると「しんどくて目の前が暗かったけど、明るくなって、掃除とかできなかったことができるようになったの」と言ってくれてすごく嬉しかったです。役に立てたのかなって。

一番近くで体の不調を見ながら施術の回数を重ねていったら、元気になられたんですね。

益田

寝たきりの方がいきなり立ち上がれるとか、そんな劇的な良いことはないですけど(笑) 「すごい治ったわ!」なんてことは無いし、「治るのかなぁ?」と言う人もいますし。「何回施術しても変わらないけど、どうして僕の施術が必要なんだろう」と思う時もありますね(笑)

悔しかった時

悔しかったことも多いですか?

益田

なかなか良くならない、結果が出ない時はしんどいし、悩みますね。「あんまり変わってないわ」「変わってないわ」とずーっと言われると、恨み節みたいになりますから(笑)

お互い苦しいですよね。

益田

しんどいですね。それに若い方と違って、歳をとるとそんな簡単に治らないですし。

そういう場合はどうするのですか?経過を長い目で見ていくのでしょうか?

益田

そうですね。あとは不満を聞いてあげることですね。「その時は痛いのが治った気がしたけど、やっぱりダメだわ」と言うのを、その都度聞いてあげることしかできないですからね(笑)
「なんとかしてあげるわ」と言って、頑張るしかないです。

話を聞いていて、体のケアだけでなく心のケアも担われていると感じました。

益田

そうですね。東洋医学では「心のはたらき」と「体のはたらき」はリンクしている部分が大きいと考えるので、「病は気から」じゃないですけど、心の気の病が病気を作りだしている部分もあります。逆に、身体的に病気である部分が心の不調に繋がっている場合もありますし。だから施術していて「表情が明るくなったなぁ」と感じることもありますね。認知症の方が歩けるようになって「徘徊するようになってちょっと困るんだけど」と言われたこともありますけど(笑)

それぐらい元気になられたと。

益田

たまにそういう場合もありますね。こっちとしては「しめしめ」と思いますが(笑)
「ごめんね、大変だねぇ。ちょっとやりすぎたかなぁ」と言いますけどね(笑)

でも嬉しいですよね、効果が目に見えて体に出てくると。

益田

そうですね。本人やご家族にとって、良い方向だけじゃなく悪い方向にも効果が出ることはありますけど、良い方向で出てきてくれたら僕としては嬉しいです。

チームとして個人が大事にしていること

益田さんは鍼灸師になって11年続いているわけですが、これからどうしていきたいですか?

益田

難しいですね(笑)
できることなら、より多くの人を幸せにしたい、喜んでもらいたいです。だからもっと知識と技術を身につけるために勉強しなければと思います。忙しくなってくると暇がなくて、一貫性を持って勉強することがなかなかできず、勉強量はだいぶ減りました。勉強することでもっと違うアプローチができるようになって、今まで全く効果がなかった人を治せられたらいいなと思います。逆に同じアプローチでも、テクニックや考え方で良いように転がっていけばいいなと。未熟だとどうしても視野が狭いので、1個のことでつまずいてそのままぐだぐだになってしまった経験もありますし(笑)
視野が広がるようにして、今は効果がなくても「この施術でもう少し続けたら良くなるんじゃない?」と長い目で見れるようになってきたら、患者さんも喜ぶだろうなと。知識力・技術力、あと説得力(笑)
その辺りを身につけていきたいですね。でも歳をとればとるほど無理がきかなくなるので、自分の体のメンテナンスもしなければならないですけど(笑)

普段からこの仕事着ですか?動きやすい服を着ているイメージでした。

益田

そうですね、普段からカッターシャツとスラックスです。「施術する人だ」というのがありありと分かるような格好が嫌なんですよね(笑)
この業界だと立場的に「先生」とよく呼ばれるじゃないですか、そういうのがあんまり好きではなくて。だから気を付けた格好で、普通のおじさんが来てくれて鍼で治療してくれる、「鍼屋のおっさん」ぐらい構えない感じになれたら良いなと思います。タバコ屋、酒屋、鍼屋みたいな、日常のなかで自分の体を治してくれる人。「誰だか知らないけどあのおっさん、鍼の知識だけはあるな」ぐらいの(笑)

「困ったことがあったら言ってみるか」ぐらいの(笑)

益田

それぐらいの立場の方がいいかな、と思ってこんな格好ですね。実際はどういう風に見られてるか分からないですけれども(笑)